「調味料(アミノ酸)」は一括名です。※「調味料(アミノ酸)」と表示できる添加物は複数あります。
この表示からどの添加物を使用したのか特定することはできません。
食品にうま味を与え、味を整える目的で使用されています。

                                                                                                                 
表示に記載の添加物名調味料(アミノ酸)
添加物の表示方法用途名併記(一括名)
天然・合成天然由来・化学合成(添加物による)
添加物分類指定添加物・既存添加物
使用用途調味料
主な使用食品あらゆる食品に使用

食品表示「調味料(アミノ酸)」の読み方

調味料(アミノ酸)の表示は食品添加物群の名称「調味料」+調味料グループ名「(アミノ酸)」で構成されています。
※この表示は一括名(複数の添加物をまとめたグループの名称)表示です。
【調味料(アミノ酸)として表示される添加物はこちら】

<添加物の一括表示とは?>
※使用した食品添加物の目的・効果が一括名(下記の①~⑭)に該当する場合(添加物名ではなく)適切な一括名で表示することができます。
①イーストフード、②ガムベース、③かんすい、④香料、⑤酸味料、⑥チューインガム軟化剤、⑦調味料、⑧豆腐用凝固剤、⑨乳化剤、⑩水素イオン濃度調整剤(pH調整剤)、⑪膨張剤、⑫苦味料、⑬酵素、⑭光沢剤

調味料の場合、さらに添加物は4グループ(アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩)に分類され、一括名「調味料」の後ろに「(グループ名)」で表示されます。

「調味料(アミノ酸)の使用用途

食品にうま味を与え、味を整える目的で使用されます。

例)アミノ酸グループの添加物「L‐グルタミン酸」「L‐アスパラギン酸ナトリウム」は昆布だしのうま味を持ちます。

「調味料(アミノ酸)」の製造方法(天然由来or化学合成)

添加物を特定できないため、天然由来なのか化学合成なのか断定することができませんが、化学合成の添加物がほとんどです。※このページで紹介している「調味料(アミノ酸)」に該当する添加物は、すべて化学合成添加物を多く含む指定添加物でした。

「調味料(アミノ酸)」の懸念点

この表示から「どの添加物が使用されたのか」分からない

調味料(アミノ酸)として表示される添加物は多数あり、どの添加物が使用されたのかは特定できません。

【調味料(アミノ酸)として表示される添加物】
L‐アスパラギン酸ナトリウム
DL‐アラニン
L‐アルギニンL―グルタミン酸塩
L‐イソロイシン
グリシン
グルタミルバリルグリシン
L‐グルタミン酸
L‐グルタミン酸アンモニウム
L‐グルタミン酸ナトリウム
L‐テアニン
DL‐トリプトファン
L‐トリプトファン
DL‐トレオニン
L‐トレオニン
L‐バリン
L‐ヒスチジン塩酸塩
L‐フェニルアラニン
DL‐メチオニン
L‐メチオニン
L‐リシンL―アスパラギン酸塩
L‐リシン塩酸塩
L‐リシンL―グルタミン酸塩

「アミノ酸」「アミノ酸等」を危険とする意見がある

※小藪浩二郎『食品添加物用語の基礎知識_第二版』(マガジンランド)には「調味料として代表的なアミノ酸はグルタミン酸ナトリウムです」「グルタミン酸が焦げるとGlu-P-1が生成します。この物質はラット(白ネズミ)に肝臓がん、大腸がん、脳腫瘍(脳のがん)を発生させます」とあります。

※中戸川貢『ワースト添加物』(YUSABUL)によると、化学調味料(主にグルタミン酸ナトリウムのこと)の問題点について「煮干しや鶏ガラ、野菜でスープのだしを取る必要がないので、ビタミン・ミネラル不足になります」「塩分の過剰摂取につながりやすいことです」とあります。

注意)これらは、あくまでも有識者の見解です。
「アミノ酸」「アミノ酸等」と表示される食品添加物は食品安全委員会で安全性が確認されています。

過去に「中華料理症候群(MSG症候群)」との関係が指摘された

1970年代に、MSG(グルタミン酸ナトリウム)を摂取した後に 頭痛・発汗・しびれ・動悸 などの症状を訴える人が現れ、これが「中華料理症候群(Chinese Restaurant Syndrome)」と呼ばれるようになりました。

当時はMSG(グルタミン酸ナトリウム)の関連が疑われましたが、その後の科学的な研究や臨床試験の結果、通常の食事量でのMSG摂取は大多数の人にとって安全であることが確認されています(ただし、まれに特定の体質の人が空腹時に大量に摂取すると、一時的な不快感を覚えることがあるとも報告されています。

参考1)米国食品医薬品局(FDA)
タイトル:Questions and Answers on Monosodium Glutamate (MSG)
内容:FDAはMSGを「一般的に安全と認められている(GRAS: Generally Recognized As Safe)」と評価。多数の科学的研究に基づき、通常の食事レベルでの摂取に健康上の問題はないとしています。
URL:https://www.fda.gov/food/food-additives-petitions/questions-and-answers-monosodium-glutamate-msg

参考2)欧州食品安全機関(EFSA)
評価年:2017年
結論:「グルタミン酸塩の過剰摂取は一部の人に一過性の症状を引き起こす可能性があるが、通常の摂取量では健康への悪影響はない」
安全な一日摂取量(ADI):30 mg/kg体重/日と設定
出典:EFSA Journal 2017;15(7):4910
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4910