イマザリルは輸入柑橘類の輸送中(収穫後)に使用される化学合成添加物です。
※カビの発生を防ぐ目的で使用されます。
イマザリルには危険性を指摘する意見があります。

                                                                                                                 
表示に記載の添加物名イマザリル
添加物の表示方法添加物名
天然・合成化学合成添加物
添加物分類指定添加物
使用用途防かび剤
主な使用食品レモン、グレープフルーツ、オレンジなどの柑橘類

食品表示「イマザリル」の読み方

「イマザリル」は添加物名です。

※防かび剤を含む一部の生鮮食品については「バラ売り」であっても添加物の表示が必要になります。

「イマザリル」の使用用途

防かび剤(防ばい剤)として使用されます。

海外から輸入されるオレンジ、グレープフルーツなどの柑橘類に使用されます。
※長距離輸送中のカビ発生を防ぐため。

収穫後に使用される農薬「ポストハーベスト農薬(ポスト:後、ハーベスト:収穫)」として知られています。
※イマザリルは農薬(殺菌剤)としても用いられますが、日本では農薬登録がないため農薬として使用できません。

「イマザリル」の製造方法(天然由来or化学合成)

イマザリルは化学合成添加物です。

※「イマザリル」はベルギーに本部を置く「ヤンセン社(ジョンソン・エンド・ジョンソンの医療用医薬品部門)」の商品名です(商品名がそのまま添加物名)。

「イマザリル」についての懸念点

・イマザリルは輸入柑橘類(みかんを除く)、バナナに限定して使用が認められています。
・日本ではイマザリルは農薬登録がされておらず、農薬としての使用は認められていません。

※イマザリルには危険性を指摘する意見があります。

EFSA(欧州食品安全機関)は、イマザリルの代謝物であるR014821について、遺伝毒性の可能性を否定できないと報告しています。このため、イマザリルのリスク評価において、内分泌かく乱作用の可能性も含めたさらなる検討が必要とされています。出典: Updated review of the existing maximum residue levels for imazalil

渡辺雄二『食品添加物ハンドブック』(ビジネス社)には「急性毒性が強く、ヒト推定致死量は20~30g。動物実験では、神経行動毒性が認められている」とあります。

小藪浩二郎『食品添加物用語の基礎知識_第二版』(マガジンランド)には「イマザリルは肝臓がん(肝臓線腫)、甲状腺腫瘍が認められています。これはイマザリルの不純物のせいだということで否定的な見解もありますが、不純物であっても問題です」とあります。

注意)イマザリルは食品安全委員会の評価結果をもとに、食品中の農薬残留基準値(例:オレンジで0.005 ppm )が設定されています。
※特に、推定一日摂取量が許容一日摂取量(ADI)に対して20%未満であり、食品を介しての摂取は現時点で健康への影響が懸念されるレベルではないとされています。

参考資料)ハザード概要シート(案)(イマザリル)_食品安全委員会